あんぱちや 東京の栞(124)
「あんぱちや」。日用雑貨ないし化粧品を扱う店で、一見したところ個人商店だが、実は同名の店が数軒存在する。店名のロゴが似ているので広い意味でチェーン店なのだろう。「あんぱちや」という変わった屋号は、創業者が岐阜県安八郡の出身であることに由来する。
(1)根津店 東京都文京区根津2-26-1(根津観音通り商店会)。2017年9月24日撮影。※支店名は便宜的に付した。
(2)西ヶ原店 東京都北区西ヶ原1-60-2(霜降銀座商店街)。2018年4月28日撮影。
(3)池袋店 東京都豊島区池袋2-53-11。2017年12月25日撮影。
以前は日除けに「十階建仮建物」と書かれていた。建て替えられることなくいまだビルの谷間に沈んでいる。2002年12月27日撮影。
(4)東池袋店 東京都豊島区東池袋5-24-9(日出優良商店会)。2017年12月25日撮影。
春になると緑の蔦に覆われて店名が見えなくなってしまう。2018年4月28日撮影。
2018年5月現在で営業を確認できるのは根津、西ヶ原、池袋、東池袋の4店だが、2000年代前半にはさらに5店が存在した。
(5)十条店 東京都北区上十条2-30-9(十条銀座商店街)。2005年8月1日撮影。
2010年頃に「あんぱちや」が閉店し、2012年3月に「ワインバー・テラ」が開店するも2013年8月頃に閉店し、2014年2月に「肉骨茶(バクテー)」が開店。2018年4月29日撮影。
(6)志茂店 東京都北区志茂4-13-4(志茂七溜商店会)。2005年6月27日撮影。日除けに根津店と同じロゴマークがみえる。
(7)滝野川店 東京都北区滝野川5-14-10(宮元商店街)。2002年12月27日撮影。
閉店後も建物がきれいに残っている。2018年1月6日撮影。
(8)南長崎店 東京都豊島区南長崎1-3-4(目白通り二又商店会)。2005年4月4日。
(9)練馬店 東京都練馬区練馬1-20-3(練馬駅北口振興会)。2002年12月27日。
あんぱちやの閉店後、2013年8月に「鳥よし」という居酒屋が入居したが、2018年4月頃に移転。2018年4月29日に訪ねるとちょうど建物を解体しているところであった。
『タウンページ 東京23区 ’91.2→’92.2 ’90年10月1日現在 上巻』の「荒物雑貨店」および「化粧品販売」の項目に掲載されていた「あんぱちや」は16店。
現況 | ||
あんぱちや尾久店 | 荒川区東尾久4-17-4 | 閉店。八百屋のざき(おぐぎんざ商店街) |
あんぱちや | 板橋区赤塚2-10-15 | 閉店。ユニオン企画赤塚ビル(赤塚一番通り商店街) |
あんぱちや(有) | 北区十条仲原1-8-26 | 閉店。APビル(十条銀座商店街) |
あんぱちや(株) | 北区志茂4-13-4 | 閉店。駐車場(志茂七溜商店会) |
あんぱちや(有) | 北区上十条2-26-10 | 1990年住宅地図では確認できず。舘岡ビル |
あんぱちや化粧品店 | 北区上十条2-30-9 | 閉店。肉骨茶(十条銀座商店街) |
あんぱちや(株) | 北区滝野川5-14-10 | 閉店。建物は現存。(宮元商店街) |
あんぱちや化粧品店 | 北区西ヶ原1-60-2 | 営業。(霜降銀座商店街)。 |
あんぱちや小間物店 | 台東区谷中3-12-1 | 閉店または店名変更? コスメティックハウスファースト(谷中銀座商店街) |
アンパチヤ(株) | 豊島区池袋2-53-11 | 営業。ただし店名の表記なし。 |
あんぱちや | 豊島区南長崎1-3-4 | 閉店。駐車場(目白通り二又商店会) |
あんぱちや | 豊島区東池袋5-24-9 | 営業。(日出優良商店会) |
あんぱちや(株)大塚店 | 豊島区南大塚3-51-8 | 閉店。今井商事ビル(サンモール大塚商店街) |
あんぱちや(株)長崎店 | 豊島区長崎2-13-16 | 1990年住宅地図では確認できず。鈴木ビルヂィング(椎名町本通り商店会) |
あんぱちや(株) | 練馬区練馬1-20-3 | 閉店。2018年4月末に建物解体。(練馬駅北口振興会) |
あんぱちや | 文京区根津2-26-1 | 営業。(根津観音通り商店会) |
「三八や」という荒物雑貨店(現存しない)。「あんぱちや」とはおそらく関係ない。豊島区高田1-21-6。2005年4月15日撮影。
いつ頃までか分かりませんが、50年ほど前には、
文京区小石川柳町仲通り商店街の中にも
「あんぱちや」があり、同商店街では最も大きな
お店だったように思います。今の住所で
東京都文京区小石川1丁目15−2
のあたりのように思います。
ご教示ありがとうございます。かなり古くから存在するお店なのですね。「あんぱちや」の全貌を把握するのはなかなか難しそうです。
今日放送のアド街駒込回から来ました。
非常におもしろく、興味深く拝見しました。
東池袋のお店はお客が入っているのを見たことがなく、蔦まみれのちょっと不気味な謎の店という位置付けで片付けていましたが、俄然興味が湧きました。
貴重な情報ありがとうございました。
昭和42年から同62年まで、文京区小石川に住んでいました。
蒟蒻閻魔商店街から白山通りに向けての両側、柳町商店街にも「あんぱちや」が存在しました。
おそらく昭和50年代中に閉めてしまったと記憶していますが、同系列店だったのでしょうか。
私にとって「あんぱちや」はその一軒のみでしたので、これほど多くの支店を持つとは知りませんでした。
他の店舗は直接には見聞きしたことはありませんが、懐かしいです。ありがとうございます♪
あんぱちや は岐阜県安八町が起源だそうです。
根津のあんぱちやは閉店。