松の湯(東金市)
外房線の大網で東金線に乗り換える。千葉県民でもほとんどの人が利用したことのないであろう路線。車窓には田畑が広がる。
東金駅で多くの乗客が降りた。昔ながらの駅舎と駅前風景である。
閉店したパチンコ店「百万弗」。廃味がある。
地方都市の例にもれず、ロードサイド店やショッピングセンターに客を奪われて駅北側の商店街は寂れきっていた。
駅前商店街の突き当たりを左折し、旧道らしき通りをすすむ。かつての繁栄を偲ばせる建物がところどころに残っている。
「キワモノ」という言葉にはなんとなく悪い印象をもっていたが、季節商品という意味らしい。いまの時期はお盆の仏壇飾り(金色の蓮とか)を販売していた。地方都市では寂れた商店街なのに仏事用品の店や「結納品店」といった贈答品の店をみかけることがある。年中行事や冠婚葬祭のつきあいが根強く残っているからなのだろう。
「九十九館」という旅館を過ぎると、右手の駐車場の先に煙突がみえる。実はこの煙突は松の湯のではなく、その隣にある料亭の煙突なのだが、これを目印にして差し支えない。
「休業日:不定期」とあるが、店主によると、正月休みや冠婚葬祭で年間10日ほど休むくらいでほぼ無休とのことであった。この8月は休みなしで営業。
男湯の迫力ある赤富士は老店主自らの筆になるもの。7月28日に訪れた鎌ヶ谷浴場に続き「アウトサイダー富士」と出会う。
千葉県東金市東金1407。2019年8月18日訪。