弁天湯(河原町五条)
年末の12月29日(土)をもって廃業すると聞き、急ぎ出かける。
五条大橋西詰。うろこ雲が出ていた。ここから高瀬川に並行する細い路地を下ったところに弁天湯はある。
典型的な京都の町家型銭湯。
弁天湯の男湯に便所はなく、建物南側の路地の奥、釜場の向いにある。いかにも京都の銭湯らしいつくり。この路地(正確にいうと弁天湯の敷地だが)は高瀬川沿いの道に通じている。
脱衣所ではお客どうしのおしゃべりの花が咲き、浴室の清掃は行き届き、カランから出るお湯は激熱と、まもなく廃業するとは思えない。廃業間近の銭湯は、しばしば、閑散として薄汚れており、カランからぬるま湯が出るものだから。
「サウナの梅湯」に行くたびに前を通り過ぎていたが、未訪のままであったことが悔やまれる。遠方から京都の銭湯を1軒訪ねるとしたら、この弁天湯を選ぶことはないだろうけど、実に京都ローカルを感じさせる銭湯であった。京都市下京区西木屋町南京極町52。
河原町五条の交差点から本覚地の墓地越しに京都タワーが見えた。2018年12月21日。