焼け跡の銭湯 1945年
出典:『日本清浄文化史』(花王石鹸株式会社、1971年)144頁。
同書の説明文には「写真は九段下付近の焼跡銭湯風景。撮影は別所弥八郎氏。」とある。撮影日は不明であるが、九段下あたりは1945年3月10日の東京大空襲で焼失しているので、その直後の撮影であろう。
出典:『写真記録 昭和の歴史3』(小学館、1984年)103頁。
同書の説明文には『東京・九段の銭湯が、焼け出された人々のために焼跡の中で店を開いたところ。」とある。床のタイルの柄が同一であること、撮影が同じく別所弥八郎氏であることから、『日本清浄文化史』と同じ銭湯の女湯であろう。
宮脇俊三『時刻表昭和史』によると8月15日の玉音放送の最中も鉄道は定刻運転を続けていたという。戦時下、非日常の風景の中でも、人々は入浴を欠かさなかったのである。